《MUMEI》

―ポーンッ。


サッカーボールが宙に舞う。


降ってきたボールを右足で受け
軽く紗稀の方に蹴る彼。





「〜っ、あ!」



ボールをカッコよく受け止めようとしたのに、思いっ切り空振ってしまった‥‥。





「へたくそ」


「おおきなお世話です!!」



でも蹴り続けるうちに
だんだんと慣れはじめた。




“ボールが生き物みたい”




輝くんがボールを蹴る姿は
まさにそのものだと思った。




―オレンジ色だった夕焼けは
いつの間にか真っ赤に染まる。




泥だらけのユニホーム姿の
輝くんの大きな背中が





すごく眩しく感じた―。

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