《MUMEI》 5毛嫌いをしているのに、真っ直ぐに自分を見る神無月の美しい漆黒の瞳。 <視>られるのを分かっているクセに、話かければちゃんと相手をしてくれる。 だから、なのか。 オカ研のメンバーは、わざと神無月に構ってもらいたくて悪さをしてしまう。 そんな神無月だが、本人が思うほどに周りからは敬遠されていない。 彼女本来の魅力があるのだが、本人はどこかズレている。 「まっ、ほどほどにするか」 イヤイヤながらも、ちゃんと部活動をしてくれた神無月を、しばらくの間はほおっておくことにした。 構われないのが、彼女にとって一番だろう。 依琉はふっと息を吐き、真面目な表情で笑みを浮かべた。 「とっとと終わらせようか」 薄い茶色の瞳に、鋭い光が宿った。 前へ |次へ |
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