《MUMEI》 7しかしあまりに強い衝撃に、さすがの依琉の笑みも強張った。 けれど踏ん張る。 神無月も頑張った。決して後ろに倒れなかった。 同級生として、恥ずかしくない行動をしたいと、依琉は思った。 そして水が全て吸い込まれた。 震える手で、レンズを一枚外した。 真っ赤に染まったレンズに浮かぶ、黒い骸骨の頭部。 「…さて、完了だね」 震えながらも、笑みを浮かべる。 イヤホンのスイッチに触れ、一息ついた。 「こちら、依琉。封印完了」 『依琉先輩、ご苦労様です。オレの方は神無月先輩と合流次第、封印を行います』 「頑張ってね。九曜くん」 前へ |次へ |
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