《MUMEI》

口付けは甘くて、頭の中が熱くて、ぼ〜っとしてしまう。

…高校生になった今、思う。

きっとそれは、キスに酔っていたせいなんだと。

だ・け・どっ!

「お前、よくもファーストキスを奪いやがったなー!」

「何を今更」

高校生になっても、アイツは変わらなかった。

相変わらずの無表情で、わたし以外の人とはあまり関わろうとしない。

それがちょっと悲しいけれど…正直、嬉しかったりもする。

「キミはイヤがらなかったし、ボクはしたかった。だから良かったじゃないか」

相変わらずあっさりと言いやがる…。

「あの、さ。ずっと聞きたかったんだが…」

「なに?」

「あの後も…今もだがキスをし続けているってことは、お前……わたしのことが好き、なのか?」

恐る恐る聞いてみた。

あの後、唇へのキスは好きな人にしかしないことを知った。

けれど直接、コイツに聞く勇気はなかった。

だけど今なら…。

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