《MUMEI》 5口付けは甘くて、頭の中が熱くて、ぼ〜っとしてしまう。 …高校生になった今、思う。 きっとそれは、キスに酔っていたせいなんだと。 だ・け・どっ! 「お前、よくもファーストキスを奪いやがったなー!」 「何を今更」 高校生になっても、アイツは変わらなかった。 相変わらずの無表情で、わたし以外の人とはあまり関わろうとしない。 それがちょっと悲しいけれど…正直、嬉しかったりもする。 「キミはイヤがらなかったし、ボクはしたかった。だから良かったじゃないか」 相変わらずあっさりと言いやがる…。 「あの、さ。ずっと聞きたかったんだが…」 「なに?」 「あの後も…今もだがキスをし続けているってことは、お前……わたしのことが好き、なのか?」 恐る恐る聞いてみた。 あの後、唇へのキスは好きな人にしかしないことを知った。 けれど直接、コイツに聞く勇気はなかった。 だけど今なら…。 前へ |次へ |
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