《MUMEI》 6「はぁ…」 意気込んで聞いてみたものの、アイツは呆れた顔でため息をついただけだった。 「なっ!? 違うのか?」 「―違わない。と言うか、今頃気付いたのにビックリしただけ」 …お前の驚き方は、そうなのか。 「まあどん臭いキミにハッキリと言わなかったボクもいけないね」 そう言って、わたしを真っ直ぐに見つめてきた。 「好きだよ。キミ以外のヤツとキスなんてしたくないと思うほどに」 「…何だか複雑な気分になるのは何故だ?」 嬉しいはずなのに、言葉のチョイスがおかしい。 「だって本当にそう思うんだもの。だからこそ、昔からキミにキスしてたんだ」 「それって…昔からわたしのことを好きだったってことか?」 「うん。だってボクの為にあんなに一生懸命になってくれたのって、キミだけだからね」 だってわたしは…お前の笑顔が見たくて、一生懸命だったんだ。 「だって……そんなの、当たり前だろう?」 前へ |次へ |
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