《MUMEI》 7「何が?」 わたしは真っ赤な顔を、無理やり上げて見せた。 「好きなコの為に、一生懸命になるのは当たり前のことだろうって言っているんだ!」 するとアイツはキョトンとした。 けれど、すぐに。 「ぷっはははっ!」 …大爆笑された。 わっわたしの必死の告白だったのに…。 「いや、ゴメンゴメン。そういう告白をされるとは思わなかったから」 まだ笑いつつも、わたしを抱き締めてくる。 「ぶ〜っ」 「悪かったって。でもそんなキミだから、昔から好きなんだよね」 それを言われると…怒り続けることができなくなってしまう。 「…これからはキスしなくても、笑うか?」 「そりゃあ笑いたい時は笑うけど…。でも一番笑える方法を、キミは知っているだろう?」 そして意地悪く笑う。 …こういう笑顔は、あまり見たくはないんだが…。 「…ああ、良く知っているよ」 けれど笑顔に惚れたわたしが悪いんだろう。 わたしはアイツの両肩に手を置いて、口付けをした。 前へ |
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