《MUMEI》

出来杉は、携帯電話からの声に聴覚を研ぎ澄ます――…。



――…ドンドンドン……!


*ジャイアン「○☆△◇@!!☆◎*□!!」



狂ったように玄関ドアを叩くジャイアンの声が、電話の向こうで遠ざかってゆく――…。



どうやらスネオは、命じられた通り、地下室に逃げ込んだようだ。



やがて電話の向こうの慌ただしさが収まると、息を潜めるような緊張感を通話音の中に感じ取った。



スネオが、こちらの命令を待っている様子が伺える――…。



出来杉「いいか?ドラミが一緒にいる限り、アイツらが家に入って来るのは時間の問題だ…。


…キミは、黙って其所で待ってろ。」

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