《MUMEI》 出来杉は戸惑うスネオを後押しするように、もう一度、彼に対する見返りを強調した。 出来杉「…腹をくくれ!スネオ!!」 そして奴隷に喝を入れた――…! 電話の向こうで、逃げ出したくなるような恐怖と戦い、ゴクリと生唾を飲む音が聞こえる…。 *スネオ「……………分かった…。」 やがて意を決したように、スネオは頷いた。 その返事の後の数秒間は、出来杉とスネオにとって、とてつもなく長い時間に感じられた。 ――…ドクン…ドクン…ドクン…! スネオの心臓は、早鐘のように鼓動を刻んでいることだろう。 ――…ドクン…ドクン…ドクンッ! それは出来杉とて同じだった。 前へ |次へ |
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