《MUMEI》 ‡ 次の日 「ふぁ〜」 花笑は大きく欠伸した。 いつもの通学風景、左側の車道は通勤ラッシュで車が込み合っていた。ま、自分には関係ないことだが… 車道は車道で混雑しているが、歩道も歩道で混雑していた 同じ高校の人間や他校の人間、はたまたサラリーマン。いろんな人間が各々目的地までひたすらに歩く。まさに蟻のような風景、 花笑だけじゃない。周りの人間も同様に欠伸しながら眠い面で歩いている。 (今日は一時間目から国語、それに4時間目は……………うげッ、体育か……) 頭の中で整理をする、嫌いな授業に朝からテンションはだだ下がり 行く気が失せるが学生の本業は学校に行って勉学に励むこと!……面倒だが行くしかない。つか自宅から半分以上は歩いたので行くしかない。 重たい足取りで向かう ▼▽ 「お―――はよう」 テンション上がらず真顔で挨拶。いつものことだが 「おはよ〜」 最初に挨拶を返してくれたのは葵だった。いつもフワフワにセットされた髪型、バッチリメイク、朝からよくそんな気力があるなぁと静かに感心する。 「なんか今日はいつになく濃い気がするよ」 「あは〜何にもしてない花笑よかはマシだよぉ、身なりの一つでも覚えたら?」 「朝から毒舌フルコースにあたしはもう満腹です」 「遠慮しなくていいよ?」 「いや勘弁してくださいマジで」 相変わらずのドS女王。朝からグサグサ刃物を突き刺してくる もうあたし瀕死状態。HP3くらい、画面が真っ赤だよ誰か長老から薬草貰ってきて 「今日はあたしだけじゃないと思うなぁ」 「…………何が?」 急な発言に解釈出来ないあたしは問い掛ける、そんなあたしを見ながら葵は「ふふ、」と笑ってから、 「周り、見てみなよ。クラスの女子達浮き足だってるでしょ〜?」 「…………………」 言われた通りに教室内をぐるりと観察 ………確かに、言われてみればそうかもしれない。が、何故に? 「なんかあんのか?テレビの取材??」 「どうゆう思考回路してるの?てゆうかやっぱり知らないんだぁ」 「?」 ため息なんかはきながら、やれやれと言った様子になんかイラッとする。 あ、短気な発言してしまった イカンイカンイカン。 「今日、4時間目体育は3組の男子と同じ体育館でやるんだよ」 「ふーん」 「それで、その3組の中にはあの有名な〜………………」 「東堂千尋がいる」 「ッ!!」 葵の言葉にかぶさようにいきなり七瀬がヌッ、と現れて声を出されたのでビクついた花笑。 「そりゃ張り切るでしょ、武器とゆう武器取り揃えるでしょ」 「おはよう、なんか目の周り毛深くなったんじゃ………」 「つけまだッ!」 「七瀬が張り切ってるなんて珍し―い」 「フンそりゃあね、色々装備しとかないとさ」 「はッ、まぁ頑張れや」 「おい、今鼻で笑ったろ……あ?どうゆう意味だ?無駄な足掻きしやがってって言いてぇのかコラ」 「まぁ、その前にその性格だな」 「お前だけには言われたくないわッッ!!」 朝から言い合う花笑と七瀬の口攻防なんていつもの光景、クラスは気にする様子もなく至って平和だった。 ‡ 前へ |次へ |
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