《MUMEI》
出逢い
憧れていた高校生活とのギャップにうんざり。とは言いながらそれなりに遊び、バイトもし、勉強もなんとか中の上位はキープして一年が過ぎた。何となく医療系の進学コースを選び桜の花が散りかけた頃、「このクラス選んだの失敗やった」と心の底から思った。何故なら女子13名に対し男子2名という変則クラスだったからだ。授業中の肩身が狭く話し相手はいつも、もう一人の男子だった。
桜が散り緑の葉をつけた頃、実力テストがありやる気が完全にゼロになっていた僕は適当な答えで埋め尽くした答案の裏に五線譜を引いて曲作りを始めた。
当時の僕は勉強よりも音楽に興味を持ち、バンドを組んでプロを目指す夢見がちな高校生だった。
頭の中でリズムを刻みながら思い浮かぶメロディをテストの裏に書き込んでいると気持ちの良いところで「なにしてんの?」と、迷惑な質問が…。苦手にしている女子からの質問を無視しようかとした時、迷惑女子のすぐ後ろの席にいた子が「バンドしてんねやろ?」と助け船を出してくれ、ただ「うん。」と答えるだけで助かった。
これが僕と彼女の初めての会話で長く小さな恋心の始まりだった。


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