《MUMEI》

「だって俺、人混みの中、嫌いなんだもん‥‥」


打ち上がる花火を見上げ、呟く輝くん。


傍にあったベンチに腰掛けた。




「だったら何で来たの?」


「え?」


輝くんの顔を覗き込んだ。
‥‥動揺して目が泳いでいる。






でもすぐに目の動きが止まり、
紗稀と至近距離で視線が重なる―。

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