《MUMEI》
クロのコート(2)
「やったぜお前らぁぁッ!!」



「俺たち…俺たちマジで勝ったんだッ!!」



最終局面、


残り5分間は日高と関谷の独壇場であった。


速攻により得点を重ね、
最終的には7点差をつけての勝利であった。



「キミたちッ!!早く整列…」



審判の声に耳を傾けず、
赤高の選手たちは歓喜に溢れていた。



「俺たちホントにッ…!!」



ガシッ……



千秋がそこまで言った時であった。


後方から首付近のユニフォームを掴まれ、


気付けば千秋は猫のように持ち上げられていた。



「…整列の邪魔なんだよ。」



そこには、
怒りを必死に抑えている榊の姿があった。



「は…す…すみません…」



(謝っちゃったよ…)



「………お前、名前は?」



「ひ…比野…千秋…です…」



(しかも敬語かよ…)



「そうか…」



榊はゆっくりと千秋を降ろす。



「…お前とはまた会いそうな気がする。」



「あは…は…」



榊は自軍ベンチへと戻る。


その途中、



ガンッ!!!!!



愕然とコートに座り込む市原に一発の蹴りを入れた。



「おめ〜もさっさと整列しろ。」



「………ゔっす。」



市原は涙を拭き、
コート中央へと並んだ。















「ありがとうございましたッ!!」
















激闘は終わった。

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