《MUMEI》

「キミの話はよくわかる…


が、


今の話にはおかしな部分が1つある。」



「…なんですか?」



「要たちの体力を削る為、


そっちの両サイドも相当走っていたはずだ。


にも関わらず先に体力を切らしたのはウチのサイド。


知っていなければ実戦はできないはずだろう?


要たちが先にスタミナ切れを起こし、


そっちの両サイドがスタミナ切れを起こさないということを。」



「あぁ…まぁ、
確かにそうなりますね。」



「それも…知っていたと言うのか?」



「いや…知っていた…
という表現はちょっと違います。」



「じゃあ…何故…?」



「今日はお互い二試合こなしましたよね。」



「え…あ、あぁ。」



「準決は別として前の試合、


要たちはフル出場。


ウチはスタメンを途中交代させてます。


その点から準決が始まった時点でスタミナに差があると踏みました。」



「んっ…」



「そして準決でもあんだけ走らせれば普通試合終盤はスピードが落ちるもんです。」



「確かにそうだが…
途中交代したとはいえそこまでスタミナに差があったとは…」



「そうですね。


確かにそれはほんの少しの有利があったって程度の話です。


けど、


自分は信じてましたから。」



「信じてた…?」



「シャトルラン200回越えのあいつらのスタミナを。」

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