《MUMEI》

ーーー……


「メリーゴーランドとか乗っちゃう?なあ、愛香〜」

「メリーゴーランドなんて恥ずかしい…」


拓也のペースでいろんなのに乗せられて体力は限界。

何でこいつ遊園地なんかでこんなテンション上がってんだろ。

…てか遊園地ってこんな疲れるもん?


「えー。じゃあ、観覧車」

「つまんないじゃん、観覧車」

「暗くなってきたし、ちょうどいいっしょ?」


ん?私の今の言葉は見事に無視されたのかな?

拓也は私の腕を引っ張ってどんどん観覧車の方へと向かう。

乗っていくお客さんはカップルらしき人たちばっか。

…私たち友達なんだけど…。

しかも観覧車て…密室じゃん、完璧な。

観覧車…15分くらいは密室…。

拓也と密室?

…危険でしかない。

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