《MUMEI》 私達は小さな空間で二人きり、ピタリと身を寄せ合った…。 その姿は誰にも見えない――…。 出来杉「…し…しずか君……。」 私の肌を通じて伝わる体温と、栗色の髪から立ち昇る香りに、出来杉さんは少し戸惑うように顔を赤らめていたの。 その鼻孔から洩れる生温かい吐息が、心なしか興奮したように荒くなっていたわ。 しずか「うふっ……静かにして…。」 私は、そんな彼のナイーブな心を弄ぶように、彼の身体を抱き寄せて、携帯電話の声に耳を澄ませたの。 私の左手には“黒いノート”が開かれ、右手にペンを構えていたわ――…。 前へ |次へ |
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