《MUMEI》 危険と分かっていながら乗るわけにはいかない…。 …と、思っていたけど無駄でした。 気づけば観覧車の中で。 目の前では拓也がガキみたいにはしゃいでて。 …何なんだこれ。 遊園地に来て、最後に観覧車乗るなんて…何、この普通のカップルみたいな遊園地デート。 何回目か分からないけど、私たちはただの友達なわけで。 「愛香!やっばい綺麗だぜ、見てみろって」 「…拓也ガキみたいだよ」 「はあ〜?観覧車乗ってテンション上がらないの多分、愛香ぐらいっしょ〜。見た目は可愛いのにな〜」 …悪かったね、中身は全然女っぽくなくて。 自覚してるよ、そんなこと。 ほんとに小学生ぐらいの時から、ひねくれてたよ。 頑張っても素直で可愛らしい女の子になんかなれないよ。 観覧車で"すご〜い!"なんて言えないよ。 前へ |次へ |
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