《MUMEI》

健太に別れを告げたのは私だから。

私が自分で決断したんだから。


「…愛香…」

「拓也…」

「キスしちまった時は…まだあいつと付き合ってたから…。でも今は、もう…フリーだろ?」

「そうだけど…ちょっ…んっ」


あの日以上に激しいキス。

観覧車はちょうど、てっぺんを過ぎたところ。

強く抱きしめられてて、身動きがとれない。

拓也の温もりが、唇から腕から…。

全身で感じる。


「んっ…はあっ…」

「愛香…っ…その顔やばい…我慢出来なくなるから…」

「…もうダメ、拓也…」

「好きなんだよ…抵抗しないってことは…俺のこと嫌いじゃないんだろ?」


嫌いじゃないけど…。

嫌いじゃないけど、好きかどうかも分からないよ。

だけど、ドキドキするんだよ。

…中途半端すぎるよ、私…。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫