《MUMEI》

「もういいよ。完璧に好きじゃなくても、これから好きになっていってくれれば…。愛香が彼女になってくれるだけで…俺は…」


体中が熱い。

拓也に見つめられてるから?

抱きしめられてるから?

何でか分からないけど、体中がすごく熱いよ。


…ねぇ…もう…前に進んでいいよね。


「…ありがとう…拓也…ありが…と…っ」


気づけば、拓也はずっと隣にいたね。

最初はすっごい嫌な奴だと思ってたのに。

第一印象は最悪だったのに。

今は…感謝しかない。


「…愛香…」

「…付き合…付き合おっか…」


その瞬間、拓也はさっきより強く私を抱きしめて。


…拓也も、ドキドキしてる?

これは、私だけのドキドキじゃないよね?



健太と別れて、もう一ヶ月が経とうとしていた。

そして私は、新しい恋に進む。


大丈夫だよね。


拓也となら、きっと…。

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