《MUMEI》

今の輝くんは前よりも明るくなった。

“ネガティブ思考”なんて言葉。すっかり消えちゃってる…。





―キーンコーンカーンコーン。
放課後を知らせるチャイム。



「…つかれた…」


今日はその一言しか出ない。



「さーき」「ん?」







「ほれっ」



いきなり輝くんが冷たいジュースを頬にくっつけてきた。



「〜っ冷たっっ!!」


思わずデカイ声を出す紗稀に子供っぽく笑う輝くん。


そのジュースを差し出す。
さりげなく気遣ってくれてる…?




「…お前さ、文化祭当日はどうすんの…?」


展示になったクラスは当日はなんもすることがない。

…どうしよ。
志栞も侑理も居ないからな〜




「ん〜分からない〜」





「…良かったら…一緒にに回ら…ない?」




…え?

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