《MUMEI》

個室で良かったと心から思う。

普通にお酒飲んで、付き合ってもない男たちとキスをして。

合コンの域を超えている。


「瞳ちゃんキス上手だね〜♪興奮してくる〜」

「そんなあ〜」


一人の男子が遂に私の肩に手を回す。

酔っていた私だけど、さすがに危険を感じた。

そいつの片手が私の足にきたから。

丁寧に撫で回しやがって。


さりげなくそいつの手を払って、よろめきながら立ち上がる。


「ちょっとトイレ行ってくるねえ〜」


カバンを持ち、そそくさと個室を出た。

私服じゃなかったら、絶対に通報かなんかされてるな。

制服で居酒屋なんて絶対に無理だ。

お酒出してくれないだろうし。


お酒を飲みまくって、かなり酔っているせいか意識が朦朧としていた。


「ふわあ〜…頭痛いよお〜」


トイレの目の前で座り込んでしまった。


…何か気持ち悪くなってきたかも…。

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