《MUMEI》

悲しくはないよ。悔しいけど。

今の私には拓也がいるわけだし、健太があの子と付き合い始めたってことはお互いに前へ進めたってこと。

お互い、安心して今の相手と幸せになれる。


「…もう平気だから」

「え?」

「私には拓也がいるじゃん」

「…愛香っ!」

「ちょっ…わっ!」


私は…拓也が好き。

最近、ほんとにそう思うよ?

完全に健太を忘れることが出来たわけじゃないけど、確かに私の心の中に拓也はいる。

…大丈夫だよね?

今度はきっと…何もなく、平和に付き合えるよね。


「愛香…俺もう我慢出来ない…襲ってい?…てか襲う!」

「ちょっと!何その強制!…あっ…んんっ」


ベッドに押し倒され、激しいキス。

舌と舌が絡み合って、徐々に体が熱くなっていく。


…二人っきりなんだ…よね?

何かちょっと恥ずかしい。

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