《MUMEI》
隆之です。俺視点で
.





俺はフられた。






ずっと、ずっと好きだった奴から









哀しいよりも、苦しいよりも







何で?


って、思った



容姿には自信あったし、他の奴には無い魅力ってのも

あると思ってる


何より、眼かな…俺はハーフだから



まあ、その話はまた後に…






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「…ん?隆之、お前の仲良し君はどうした?」

「仲良し君…?ああ、佑二っすか?」



俺は体育着の袖にしまい込んでいた右手を脱皮させて、頭を掻いた。



仲良しくんったって…



俺は形式上、キョロキョロと体育館を見回し、また体育教師を見て肩を竦めた。



「分かんねっす」
先生はホイッスルの紐を指に巻き付けて、また指を回してほどいた



「…俺に、なんの断りも無いんだが…隆之、お前探してこい」

「…えぇ〜」




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「…ったく…」





探さないと減点…って





「ンの馬鹿…」






口とは裏腹に、佑二を見つけたらどう謝ろうとか、どんな顔しよう、とか考えてる俺がいた

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