《MUMEI》 九曜・廃墟の封印「まったく…神無月先輩っ! まだですか〜!」 九曜は顔をしかめながら、廃墟―元は寮だった建物の中を走り回っていた。 何故なら。 九曜の後ろから、異形のモノが追いかけて着ているからだ。 九曜は【人成らざるモノ】を惹き付けてしまう能力を生まれ付き持っている。 何せ生まれが神社の跡取り息子。 しかも【人成らざるモノ】と多く接する神道系の神社だった。 そのせいか、九曜には本人が望まずとも強い力が付いてしまった。 本人はとてもイヤがっているものの、親戚一同はとても喜んでいた。 それに輪をかけてしまったのが、周囲の反応。 『神社の跡取り息子』としての立場があるせいか、普通なら気味悪がって遠ざかるはずだが、何故かとても尊敬されてしまった。 前へ |次へ |
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