《MUMEI》 3「いっいえ…。来てくれただけでも嬉しいですよ」 青白い顔でぜぇぜぇ言っている九曜を見て、神無月は慌てた。 「ホントにゴメン。ちょっと遠かったからさ」 「いえいえ。それより依琉先輩から連絡が来まして、プールの方も終わったみたいですよ」 「さすが依琉ね。去年もあっと言う間に終わらせてたし」 感心とも呆れともつかない表情で、神無月は肩を竦めた。 「依琉先輩は順応力が強いですもんね」 「馴染みやすすぎるのよ。受け入れやすいと言うか…。まあ裏も表も<視>えるから、あんまり物事に深くこだわらないのかもしれないけど」 「それも良し悪しですが…。まずは俺のとこの封印を行いましょうか」 「そうね。後ろからせっつかれているし」 二人とも、青い顔で微笑みあう。 何故なら―二人の後ろには、異形のモノ達が迫って来ているからだ。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |