《MUMEI》

「「ぎやぁああああ〜!」」

廃墟に二人の声が響き渡った。

二人は部屋を飛び出した。

ちなみに九曜が惹きやすい異形のモノとは、恐ろしい異形のモノではない。

どちらかと言えば単色で、幼稚園児でも描けそうなほど単純な姿・形をしている。

言わば低級―である。

時々中級も混じるが、追いかけて来るのはもっぱら低級である。

「わああ〜! 追いかけて来るなぁ!」

「ねっねぇ、九曜! 私、思ったんだけどさっ!」

「何ですか! 神無月先輩!」

「生き物って逃げるものを追いかける習性があるんだって! 逃げなきゃいいんじゃないの?」

「止まったら止まったで、ヤツらの餌食になるだけです! 生気、吸い取られたいんですかっ?」

「それは絶対イヤッ!」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫