《MUMEI》 4「「ぎやぁああああ〜!」」 廃墟に二人の声が響き渡った。 二人は部屋を飛び出した。 ちなみに九曜が惹きやすい異形のモノとは、恐ろしい異形のモノではない。 どちらかと言えば単色で、幼稚園児でも描けそうなほど単純な姿・形をしている。 言わば低級―である。 時々中級も混じるが、追いかけて来るのはもっぱら低級である。 「わああ〜! 追いかけて来るなぁ!」 「ねっねぇ、九曜! 私、思ったんだけどさっ!」 「何ですか! 神無月先輩!」 「生き物って逃げるものを追いかける習性があるんだって! 逃げなきゃいいんじゃないの?」 「止まったら止まったで、ヤツらの餌食になるだけです! 生気、吸い取られたいんですかっ?」 「それは絶対イヤッ!」 前へ |次へ |
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