《MUMEI》
先生とのキス
「はあ…」

最近、ため息が多くなった。

小学4年生の女の子がため息ばかりというのは、さすがにダメだろうと自分でも思う。

けれど悩みもまた、恋愛絡みというのは子供らしくないだろうな。

…そう、恋愛。

わたしはまだ10歳だけど、好きな人がいた。

それはよりにもよって、先生。

小学1年生の時、クラスの担任をしていた先生を好きになってしまったのだ。

けれど2年に上がって、担任が変わってしまった。

それがたまらなく寂しくて、わたしはつい…先生に告白してしまったのだ。

「先生! わたし、先生のこと好きなんです! だから付き合ってください!」

その時のわたしの顔は、きっとリンゴよりも真っ赤だったろう。

授業が終わった放課後、先生が手入れをしている学校の温室で、2人っきりのチャンスを使ったのだ。

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