《MUMEI》

「はー…」

何かいい加減、疲れてきたかも。

「それで先生、今日は何をすれば良いんですか?」

「ああ、その花壇に雑草が生えていたら抜いてくれ」

「はぁい」

わたしは再び花壇に視線を向ける。

咲いている花の影に、ちょこちょこと雑草が生えているのが見える。

それを指で摘み、ちょいちょい抜いていく。

でも先生が手入れを良くしているおかげで、すぐに終了。

「先生、終わりました〜」

「ああ、ありがとな」

先生が水を入れたジョウロを持って来たので、わたしは場を譲る。

手が汚れたので、洗うことにした。

「ここの花、キレイに咲いただろう?」

「ええ、そうですね。春らしいです」

「お前、パンジーとスミレ、好きだしな」

「えっ? 知ってたんですか?」

「前に言ってきただろう?」

ああ、そう言えば…。

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