《MUMEI》 8ジョウロを持つ先生の手が、ピタッと止まった。 「待ちくたびれてしまったのならば、すぐに言ってくださいね? わたし、先生に嫌われたくないから…」 うっとおしがられるぐらいだったら、好きだなんて言わない。 嫌われるんだったら、自ら離れる方がずっと楽だから…。 「わたし、本当に先生のことが好きなんです。だから好きなままで良いのなら…その証拠をください」 「お前なあ…」 振り向いた先生の顔はとても近い。 けれどお互い離れようとしなかった。 先生の体が、わたしに近付く。 そして…眼を閉じて待った。 やがてそっと、唇に感じた先生からのキス。 眼を開けると、先生は顔を真っ赤にしていた。 「…本当はせめて、お前が中学を卒業するまではやめておこうと思っていたのに」 「それじゃあわたしの方が待ちきれませんよ」 前へ |次へ |
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