《MUMEI》
一糸乱れぬ
「酷い顔だな」
乙矢に言われて鏡で見てみると顔がむくんでいた。



「うわ、学校なのに」
最悪。




「暫く避難させて。」
そうだ、乙矢も気になることあったんだ。


「構わないけど……ちゃんと話して欲しいな。」


「ホラ学校だろ?早く出なきゃ」
背中を押され廊下に閉め出される。


「くそう……」
今日は早朝から講習だし。寝てしまいそうだ。
さっさと学校行こう。朝飯は取る暇ない。……七生に会いたくないから。







「二郎おはーす!」
そして、会っちゃうしね?

「うん。元気だね。二日酔いじゃないの?」
にこやかな笑顔、飲んでなにもかも忘れてたようだ。


「薬飲んだから。
……バス停まで乗せて。運転するから」


「珍しい」
頭打ったか?
でも疲れているから乗る。


「つかまってろ!」
速っ、振り落とされる!脇腹辺りにしがみついた。あ、昨日のせいで痛いかな?腰掴んでおくか。……躊躇ってしまう。



「……二郎!」




ひっ、体が浮く。
自転車に置いていかれる






ガチャーン


自転車のベルの音と共に倒れる。

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