《MUMEI》

「次、あっち行こうぜ」



さっきまで紗稀がリードしてたのにいつの間にか逆に。





輝くんの隣を歩いてると
ちらほら女子に騒がれる…。



やっぱ人気なんだなって思って
“友達の紗稀”が隣でいいんだろうか…って思っちゃう。


輝くんが誘ってくれたのは
本当嬉しかったけどさ―。



輝くん好きな女子たくさん居るだろうし


…輝くんだってきっと好きな女の子だっているはず…。




そんなことばっかり考えてると
輝くんに頬をつままれた。






「―わっ、な…何?」


「あ、いや…紗稀の顔すごく険しかったぜ…?」






いきなり触ってこられると
ビックリするよ…。


―またドキドキしてる…。

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