《MUMEI》
解除コード?
「製造番号、かな?」
「それか、認識番号ってとこか」
「それって、これを取るためのヒントになる?」
サトシは足を動かさないように気をつけながら、二人の顔を交互に見た。
「わかんないけど。この数字、なんか、見覚えがあるような……ないような。ねえ、ユウゴ。これなんだっけ?」
ユキナはしきりに首を傾げながら考えている。

 ユウゴはしばらく考えた後、「あー、ああ。あれっぽいよ。あれ」と鞄を探り出した。
「あれって?」
「あれだよ。さっきの書類」
「ああ!あのわけわかんなかった数字」
ようやく合点がいったように、ユキナは頷いた。
しかし、一人状況がわからないサトシは不安そうな表情のまま、ユウゴの動きを見つめている。

 ユウゴは鞄から紙の束を取り出し、その中から数字がびっしり書かれている一枚をサトシの前に置く。

 改めてその紙を見ると、数字は僅かに隙間を空けて、三桁と四桁でセットになっていることがわかった。
「な?三桁の数字が並んでるだろ?」
「ほんとだ。じゃあ、横にある四桁の数字は」
「ああ。きっと解除コードだ」
ユウゴが自信たっぷりに言うので、サトシは嬉しそうに笑みを浮かべた。

「でもさ、なんでそんなの由井さんが持ってたんだろ?」

ユウゴとサトシは同時にユキナを見た。

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