《MUMEI》

放課後…私と拓也は誰もいない教室に残っていた。


「…愛香…ほんとに聞く?」

「聞くよ。百合のこと…ちゃんと知りたい…」


ちょっと怖い。

だけど、大事な友達だから…。


拓也は私の手を優しく握った。

そして、窓の外を眺めながら話し出した。


ーーー……


俺と百合は、小学校4年の時に既に出会っていた。

連むようになったのが、中1からで。

小学校4年の時に同じクラスだったんだけど、全然喋らなかったし、絡みもしなかった。

俺の百合への第一印象は"普通に可愛い子"。

今みたいに明るい性格だったけど、誰に対しても一枚壁を作っているような感じだった。

あと、授業中はほんとに寝てばっかり。

起きてることが珍しいくらいだった。


小学5、6年では別のクラスでその後のことはよく知らない。

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