《MUMEI》 百合は帰りたくないと言い続けた。 終いには泣き出すし、どうすればいいか分からない。 とりあえず俺は、俺ん家へ向かった。 ちょうど誰もいなくて、とりあえずホッとする。 百合が落ち着くまで、ずっと俺は肩を支えてやっていた。 ほんとにまだガキ。 だから、もう頭ん中はぐしゃぐしゃ。 「…百合…話せるか?」 「うん…ごめん…拓也には…話す…」 百合は全て話してくれた。 百合の今の両親は再婚らしい。 小学2年の時くらいに、離婚してその一年後に再婚。 新しい父親は、母親より若かったらしい。 最初は凄い優しかったらしい。 だが、再婚してからまた一年後くらい。 俺と百合が出会った、小学4年のころ。 母親がちょうどいなくて父親と二人っきりになった頃。 前へ |次へ |
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