《MUMEI》

百合は帰りたくないと言い続けた。

終いには泣き出すし、どうすればいいか分からない。

とりあえず俺は、俺ん家へ向かった。


ちょうど誰もいなくて、とりあえずホッとする。

百合が落ち着くまで、ずっと俺は肩を支えてやっていた。


ほんとにまだガキ。

だから、もう頭ん中はぐしゃぐしゃ。


「…百合…話せるか?」

「うん…ごめん…拓也には…話す…」


百合は全て話してくれた。


百合の今の両親は再婚らしい。

小学2年の時くらいに、離婚してその一年後に再婚。

新しい父親は、母親より若かったらしい。

最初は凄い優しかったらしい。

だが、再婚してからまた一年後くらい。

俺と百合が出会った、小学4年のころ。

母親がちょうどいなくて父親と二人っきりになった頃。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫