《MUMEI》

こちらに向けたうなじがつい触れたくなるくらいセクシーだったが、チラリと見えた下着は当たり前だが男性モノだった。

双子達といえば、そこに一緒にあったお菓子に夢中になって取り合ったり融通しあったりしていた。

「それにしても…飲み物くらい自分で煎れられるのにな」
「日本式のサービスなんですよ」
「そうなのか…」

これもそうだが、日本という所は過剰サービスが多いような気がする。

この前もコンビニに立ち寄ったら高級ホテルのようなお辞儀をされてこっちが戸惑ってしまう事があった。

こっちのスーパーマーケットなんかイスに座って爪を磨きながら接客していたりするのが当たり前なので、ずっと立っている日本のスタイルを見た時は信じられなかった。


『風呂は食事の前に入るものだ』というので、皆で一緒にさっき言っていた露天風呂に向かうことにした。

「それと、メイドさんじゃなくて仲居さんって言うんだよ」
「へぇ〜あの人、仲居さんて言うんだぁ〜♪」

そんな事を言いながら、目の前をかなたとアキラが手を繋ぎながら仲良く歩く。

それを微笑ましく眺めていると、ふいにアキラはこちらを振り返り「…仲居っていう名前の人じゃないですからね」と、まるで俺の心の中を見透かしているようなタイミングでそう教えてくれた。

「そうなのか…」

ふと、横にいるはるかの方を見てみると、はるかは向こう側にいるふくよかな仲居の女性の後ろ姿をじっと目で追っているようだった。

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