《MUMEI》
ごぶざき
その日は週に一度の当直明け、たまたま急変が相次ぎくたくたであった。
自宅には帰らず御園のマンションで仮眠してから研究のまとめでもしょうと思い車を走らせる。
勝手知ったるで飲み物を用意し、シャワーを浴びる。文献に目をとうしながらうたた寝をしていた。
目覚めると、柔らかいブランケットに包まれコーヒーの良い薫りに包まれていた。
「お疲れ様、ハードな当直だったみたいだね」
御園の優しい微笑みにほっこりさせられる。
「昨日、御園は出張だったけ、美沢もいなかったからてんてこ舞いだった。美沢も、もう少しであがってくる予定だよ。」
御園は優雅な動作でコーヒーを注いでくれる。
「夕飯はユキちゃんのスペシャルメニューでよろしくね。」
三人で休み三人で目覚める日は稀になりつつあるが大切な時間である。

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