《MUMEI》

「…なお上手いね…」

「一応美術は得意分野だからな」




――そうだった…。

小学生の時、区の交通安全のポスターに選ばれた事あるんだっけ…。

ちなみにそのポスターは立派な額に納められ、今だに堂々とリビングに飾られている。







「今日も顧問来ないね?」

「ハアハア、別にどうでもいいぬん、ちなみにクリ〇ンはこう描くぬん、ハアハア」


肉君はサササと簡単に、本当の作者さんみたいに仕上げた。



「やっぱり肉君は凄いな〜」


と俺が言ったら肉君は得意げに笑い鼻の下を人差し指で擦った。

「ハアハア、僕坂井先輩気に入ったぬん!、ハアハア、描きやすいように絵かき歌歌いながら教えるぬんッ!」

「マジで?うわあいっ!俺も肉君お気に入りだよおっ!」


俺は嬉しくなってその場で二回ジャンプ。
そして肉君にギュッと抱き着いた。

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