《MUMEI》
「…なお上手いね…」
「一応美術は得意分野だからな」
――そうだった…。
小学生の時、区の交通安全のポスターに選ばれた事あるんだっけ…。
ちなみにそのポスターは立派な額に納められ、今だに堂々とリビングに飾られている。
▽
▽
「今日も顧問来ないね?」
「ハアハア、別にどうでもいいぬん、ちなみにクリ〇ンはこう描くぬん、ハアハア」
肉君はサササと簡単に、本当の作者さんみたいに仕上げた。
「やっぱり肉君は凄いな〜」
と俺が言ったら肉君は得意げに笑い鼻の下を人差し指で擦った。
「ハアハア、僕坂井先輩気に入ったぬん!、ハアハア、描きやすいように絵かき歌歌いながら教えるぬんッ!」
「マジで?うわあいっ!俺も肉君お気に入りだよおっ!」
俺は嬉しくなってその場で二回ジャンプ。
そして肉君にギュッと抱き着いた。
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