《MUMEI》

「髪の毛擽ったいぬ〜ん、ハアハア」

「肉君軟らかいッ!全身マシュマロみたいで気持ちいいッ!」

「うふふふふ〜ん
、ハアハア」


「フフッ!」







「口からオナラがでたヌン!♪ちが〜う♪それは胃酸ヌン♪」


「ゆう…なんなんだその歌は…」

「「絵かき歌ぬん」」

直哉が久しぶりにうちのクラブに遊びに来ている。

俺は肉君の作ってくれた歌に合わせてドラ〇〇んを完成させた。


「うまいぬん!ハアハア、ド〇〇もんは完璧ぬん!ハアハア」

「なあ、ゆう、〇〇えもんって元々絵かき歌なかったか?」
「え〜そうなの?なおドラ〇〇んマニア?」


「い、いや…、保育園で昔教わった気がしただけで…」


「じゃあ次はトグロ巻きうん〇ぬんっ!ハアハア」


「はいっ!先生ッ!」

「そんなんまで歌…作ったのか…」



「「愛!愛!愛してるッ!♪♪」」


「……」









9月を過ぎても顧問が現れないまま俺と肉君はクラブ活動を続けていた。

そして来週はいよいよ文化祭。展示する絵手紙を俺達は必死になって描きまくる。

「先輩凄い上手くなったぬん!ハアハア」

「そんなっ!肉君のおかげだよっ!」


俺は肉君のおかげですっかり絵に自信がついていた。

歌さえあればケンシ〇ーも描ける様になった!
そして絵手紙クラブらしく文章を入れるのも忘れない。

俺は完璧に描けるようになったクリ〇ンに文章を書きこんだ。


「先輩は文章書くの上手いぬんハアハア、肉の次に天才ぬん、ハアハア」


ガラッ!

「頑張ってるか?」
「あ、なお!」





「俺達二人だけだから大変なんだよ〜」


「そうなんだぬん、ハアハア、なお先輩も一枚協力してくれだぬん、ハアハア」
教室の北側の壁に端から端まで貼りたいって言ったら直哉はにこって笑って


「一生懸命頑張っててえらいなお前達、よし、一枚協力するよ」


キュン…

「あ、ありがとう…」


直哉滅多に笑わないからちょっとキュンってきちゃった…、はあ…。
いつも笑ってたらいーのになあ…。



そして直哉は描き始め…



「ほら、できた、じゃあ俺他のクラブも見て来なきゃなんないから」


「「……」」


と直哉は言い残し…
教室を出て行った。



「これ何ぬん…」


「……、さあ」

直哉が描いた絵は…

俺が前に描いてみせた、下手くそなクリ〇ンだった…。

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