《MUMEI》 「イッデー!」 七生が叫んでいる。 俺の下に七生がいた。 後ろに飛ばされそうになった俺を自転車を乗り捨て、引き寄せたようだ。 「……腕ッ、大丈夫か!」 七生に乗っかったまま方向転換、利き手の左を掴む。たいしたことなさそうだ。 「もっと他に言うことあるだろーが!」 頭突きされた。 「イテェ!………………足は、くじいてない?気をつけなきゃ。」 足を触る。こいつビーサンだし!こんなん履いて速度上げるからこんなことに! 「二郎は、折れてない? また痩せたな、アバラが見える。」 俺のが七生より大きいのに体重が少ない。俺の肋を触る。 「折れないよ、七生の下敷きになっている訳じゃあるまいし……ギャハハハハハハ!そこは止めて!」 七生は急に立ち上がる、俺は一秒でも立つタイミングを誤っていたらアスファルトに激突していた。 「行ってくる」 七生は振り向くこともせずにバス停までの曲がり角へ向かった。 「……?」 なんかへんなの 前へ |次へ |
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