《MUMEI》





―――文化祭当日。









「へー、絵手紙クラブなんてあったんだぁ」


「あの、1番いい絵手紙の下にシールお願いしますっ」

俺は見学に来てくれた生徒やお客さん達に丸いカラーシールを渡していく。


肉君は教室の真ん中でハアハア言いながら、リクエストに応えながらイラストを描きっぱなしだ。



それにしても予想外の見学者の数。
今日初めて知ったんだけど肉君は同人誌って世界じゃ有名人だったんだ。

肉君のイラスト欲しさに昨晩から校門の前で待っていたアキバ系ヲタさんもいたとか。


「この絵はなんですか?」

「この絵はですねー……、…」


お客さんに尋ねられた絵はまた、直哉の絵だった。


さっきからずっと尋ねられっぱなしで…。


「これはタツノコボールのクリ〇ンです」

「わっ!なおッ!」

振り返ると直哉が立っていて…。



「ハハハッ!」


尋ねてきた中学生風の男の子は…



カラーシールをクリ〇ンにペタリと貼りつけた。










「なおが1番…」

「クキ〜ッ!ハアハア、負けたぬ〜ん…」


シールの数が1番多かったのはなぜか直哉の変な絵だった。

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