《MUMEI》
素直な気持ち
 
 
 
…──翌日









僕は佐野さんのことを、心配していた。
昨日のこと、後悔しているんじゃないか…あんなことをした僕たちを恨んで、みんなにバラしたりしているんじゃないか……。


そう考えると、あまり学校に行く気になれなかった。
けど陽菜が迎えに来て、休むわけにもいかず、僕は学校に向かった。


僕は足取りも重く、通学路をゆっくり歩いた。 陽菜は少し前を歩いている。

「眠れた?」

陽菜が振り返った。

「え?…うん」

「なんだ…アンタのことだから興奮して眠れてないと思った」

「…そんなことないよ」

そうは言ったけど、陽菜が言ったことは確かだった。


昨日の夜、僕は陽菜のことを思っていた。
僕の上で乱れる陽菜を想像すると眠れず、陽菜の淫乱な姿を想像して何度も射精していた。

「ふぅん……あんなに気持ちよさそうだったのに、そんなに興奮できなかったんだね」

そう言いながら陽菜が近づいてくる。

「いつもあんな気持ち悪いDVD見てんだもんね…佐野さんをもっと傷つけなきゃ興奮できなかった?それとも……」

陽菜がスカートの中に手を入れ、僕のモノを撫でた。

「……あたしじゃなきゃダメ?」

「や、やめてよ!」

「またそんなこと言って…アンタはいつも口だけだよね…本当に嫌なら、あたしに逆らえばいいのに」

嫌なわけがない。
陽菜に触れたくて…、触って欲しくて…


それしか考えてないのに、嫌なわけがない。


けど、勇気のない僕は、

「だ、だって、逆らったら陽菜、怒るでしょ?……それに…外でなんか恥ずかしいよ…」

と答えるしかできなかった。

「そう……わかった、じゃあ、ついて来て」

そう言うと陽菜は僕に鞄を渡し、歩き出した。

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