《MUMEI》
不本意な行為
仰向けになるように陽菜に言われ、僕は今朝陽菜が使っていた便器を上に、仰向けになった。
佐野さんは下着を脱いで、僕の顔の上に跨った。


丸見えになった佐野さんの女性器が、僕の顔の近くでヒクヒクと動いていて、僅かに濡れていた。

「ねぇ…舐めてあげたら?」

そう言いながら、陽菜が僕の股間を踏んだ。

「うあ…っ!?」

そのまま踏みにじるように、足を上下左右に動かす。

「あ…ぁ…」

こんな屈辱的なことをされているのに、陽菜に弄られてる…そう考えただけで、僕のソコは大きくなっていった。

「早くしてあげてよ」

陽菜に言われ、僕は佐野さんの敏感な部分に、舌を這わせた。
僕の上で女性器を丸出しにした陽菜が、「早く舐めて」と急かしているのを想像しながら。

「んっ…ふ…」

佐野さんが、切ない声を出した。
僕はその声を聞きながら、陽菜のことを思って夢中で舐めた。
中から溢れ出てくる甘酸っぱい匂いの液体や、小さな突起を吸いながら……。

「あっ…ダメ、眞季ちゃん…ダメ… 出ちゃう、出ちゃうよぉォ!」

そう叫びながら小さく痙攣した佐野さんの中から、 塩辛くて苦い体液が出てきた。










プシャアァァァァ───……





生暖かい液体が、勢いよく僕の顔にかかった。
息を止めていても、アンモニアの匂いが鼻をつく。


全て出し終わると、佐野さんは興奮したのか、僕の口に女性器を押し付け、恥ずかしそうに言った。

「もういっかい……舐めて?」

仕方なく僕は舌を出した。 佐野さんは、僕の舌先に小さな突起を押し当て、腰を前後に振った。

「ふぁ…っ!あっ、あっ、あっ、あぁぁぁ……ッ!!」

佐野さんは悲鳴のような声をあげながら、床に倒れ込んで、ピクピクと痙攣したまま動かなくなった。


ふと、足下を見るとそこにいたはずの陽菜の姿が無かった。
僕は倒れたままの佐野さんをそのままに、慌てて公衆便所から出た。







家に帰るまでの間、陽菜の姿を見ることは無かった。
陽菜はもう、家に帰ったんだろうか…。
心配になった僕は、シャワーを浴びて普段着てる男の服に着替えてから、陽菜の家に行った。










…──陽菜の家の前には、制服姿の陽菜がいた。


まだ帰ってなかったんだろうか…。


家に入ろうとする陽菜に、声を掛けようとした瞬間、一人の男が陽菜に小走りで近付いていった。







僕の知らない男……。








でも、僕らの学校の制服を着ている。
あんな男、見たことない…。
一年の生徒じゃないんだろうか……。


陽菜とその男は、何か話してる様子だったけど、ここからじゃ何を話しているのか全然わからない。
けど陽菜の楽しそうな表情は、見て取れた。



あんな表情をする陽菜は、見たことなかった。
恥ずかしそうにはにかんだり、優しく微笑んだり……。




僕が知らない表情…。
僕には見せたことのない表情…。




それは普段の冷たい表情からは、想像できない表情だった。




僕は男が帰るのを待って、陽菜に声を掛けた。

「陽菜!」

陽菜が振り返る。
いつもの冷たい表情で…。

「ねぇ、今の……」

「もう帰ってきたんだ…佐野さんは?どうしたの?」

僕の言葉を遮るように、陽菜が言った。

「佐野さんは…」

「ちゃんと挿れてあげたの?」

僕は首を横に振った。

「そう…やっぱりアンタは根性ないね」

陽菜が馬鹿にしたような目で、クスクス笑う。



根性がないんじゃない…。
陽菜じゃなきゃしたくないだけだ……。



心の中でそう言ったけど、口にはできなかった。

「ねぇ、制服着てきてよ」

制服……?
陽菜は、たまに何を考えてるのかわからない。

「早く…あたし、待たされんの嫌いなんだから」

そう急かされ、僕は家に戻った。


あの男は誰なんだろう……。
僕の頭の中は、さっきの男のことでいっぱいだった。


でも今は、急がなきゃいけない。
僕は制服を着ると、陽菜の元へ走った。


家の前では、不機嫌そうな顔をした陽菜が待っていた。

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