《MUMEI》 誓い「じゃあ、また学校でね」 陽菜は優しく微笑むと、部屋を出た。 その優しい微笑みに似つかわしくない行動…。 僕は何度、陽菜に触ってもらっただろう…。 何度、陽菜に恥ずかしい姿を見せただろう…。 もう恥ずかしいなんて感覚は、無くなっているのかも知れない。 幾度となく繰り返される行為……。 僕が陽菜に触れることが無くても、陽菜の裸体を想像するだけで見ることができなくても、僕は陽菜の傍にいて恥ずかしい姿を見てもらえるだけで、満足なのかも知れない。 あの男……。 真鍋さえ邪魔しなければ…。 陽菜は、まだ真鍋がどんな人間かわかってない。 きっと真鍋が、陽菜を襲おうとしてることなんて、考えてもいないんだ。 僕たちの関係を壊そうとしているなんて、想像もできていないだろう。 やっぱり僕が、陽菜を守るしかない。 なにがあっても、陽菜は守る。 あの時みたいに…。 僕は、そう胸に誓った。 その為には、成長しなきゃいけない……。 もう陽菜以外の女とは、とかも言ってられない。 そう考えながら僕は、学校に向かった。 前へ |次へ |
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