《MUMEI》 踏みにじられた気持ちうま…、く…息が、でき…ない。 「オマエが俺に絶対服従を誓えるならやめといてやるよ、その代わり少しでも俺に逆らったら…… わかるよな?」 あの日から、始まった。 あの日から、僕は男として生活できなくなった。 …──いや、 人間として生活できなくなった…って言った方が、正しいか。 少しでも嫌な顔をすると、佐伯が冷酷な笑みを浮かべる。 その冷酷な笑みを浮かべた口が、次にどんな言葉を発するかは、わかってる。 僕は陽菜を守る為に、頑張ってきた。 気持ち悪い行為も、汚い行為も…。 体中にできる痣や、擦り傷も…陽菜の為だと思ったら、どうってことなかった。 僕は陽菜の為に、生きてきた。 陽菜が綺麗なままで、いれるように… 陽菜を守れるなら、なんでも耐えた。 なのに… なのに陽菜は…── 僕を裏切った。 前へ |次へ |
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