《MUMEI》
狂気
「触んないでよッ!!」

陽菜がまた、悲鳴のような声で言った。

「待ってよ、落ち着いてよ、誤解とかなきゃ。それに陽菜の家は学校行くときに通るんだから、 うろつくなって言われたって無理だよ」

「とぼけないで!あたしん家の周りうろついてたの知ってんの!毎日毎日あたしの部屋、外から覗いたりしてたでしょ!?」

「あれは見張ってたんだよ!陽菜がヘンな男に襲われないように!今だって真鍋に狙われてるでしょ?こないだだって…」

「見てたの?」

僕の言葉を遮るように、陽菜が言った。

「先に帰るように言ったのに…。ていうか……なんで先輩の名前知ってんのよ」

「……調べたんだよ」

「調べたって…なに…?」

「危ないから…アイツ……陽菜のこと襲おうとしてるし、僕たちの関係も壊そうとしてるから…」

陽菜は苦笑した。

「僕たちの関係ってなに?意味わかんない、それに先輩とあたしは付き合ってるの、アンタじゃないんだし襲うとかそういうヘンなことしないから!」

「付き合ってる……?」

「そう、だからもう余計な心配してくれなくていいの、わかったら放して!」








付き合ってる……?









頭が真っ白になった。


付き合ってるってなに……?
いつから?

「陽菜は…僕を裏切ったの?浮気してたの?」

「浮気!?なんで浮気なんて考え方できんの?アンタ浮気の意味わかってる?……もういいから放して!放さなきゃ痛い目にあうから!」

「……痛い目?あはは…それは僕の台詞だよ…陽菜はわかってるでしょ?もう、昔の僕とは違うって…僕の手だって昔だったら振り解けたもんね…」

「だから……なに?」

陽菜の表情が強張った。

「僕が逆らわないから…僕が女みたいに細いから、女みたいな顔してるから陽菜は…油断してたんだよ……でも僕は男だよ?陽菜がいちばんわかってるでしょ?」

陽菜は、少し震えてるみたいだった。

「服脱いだら…真鍋なんかより男らしいでしょ?毎日見てたんだからわかるよね?僕のは他の男とは比べもんにならないくらい大きいでしょ?僕は男なんだよ?力じゃ勝てない」

陽菜が平手打ちをしてきた。
僕は、それが顔に当たる前に手を掴んだ。

「ね?力じゃ勝てないよ…陽菜の細い体じゃ僕には絶対勝てないよ」

「身長だってあたしと変わらないくせに」

そう言って、また暴れ出した陽菜を僕は抱きしめた。
あまり力を入れたら、折れてしまいそうなくらい細い体…。
シャンプーの香りが、鼻をくすぐる。

「いやぁぁあぁあッ!!!」

陽菜の叫び声が、部屋中に響き渡った。

「陽菜は変わってないね…背は伸びたけど、細いのは昔から…。顔だって…まだ子供みたい。胸はおっきくなったの?」

僕は陽菜の胸を、優しく掴んだ。
制服の上からでも、柔らかさと弾力が伝わってくる。

「いやぁぁあぁあッッ!!!触んなァァ!!!!」

暴れる陽菜を押さえつけて、胸を揉んだ。
今まで抑えていた欲を、解放するように。

「いつも陽菜の体想像してた…あのDVD覚えてる?女の子が虐められてるやつ…あれ見ながらさ、陽菜が虐められて泣いてるとこ想像してた……」

陽菜は僕から逃れようと、もがいている。

「僕に懇願する陽菜…苦痛に顔を歪める陽菜…それから、陽菜の綺麗な体が崩れていくとこ…」

僕はブレザーを脱がして、それで陽菜の手を縛った。

「逃げられないよ、陽菜……これから浮気した陽菜にゆっくりお仕置きしてあげるからね」

陽菜はすっかり黙ってしまって、震えながら首を振ることしかできないみたいだった。
やっと陽菜に触ることができたのに、急に大事なとこを触ったら勿体無い気がした。


僕は暫く考えてから、耳を触ることにした。


長い髪をかきあげると、小さな耳が出てきた。
それを指でなぞると陽菜は、ピクンと反応した。
あんなに強がってたのに、敏感な反応をする陽菜が可愛くて、笑みがこぼれてしまう。

「どうしたの?僕より敏感な反応だね」

陽菜は黙って、顔を背けている。

「想像できる?白い肌が紅く染まるとこ…縄や鞭の跡で傷つくとこ…可愛い突起に針が刺さるとこ…」

陽菜が怯えた目で、僕を見た。

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