《MUMEI》
セレブ校
入学式の翌日。

私はマスクをして登校する。
そう、私は花粉症なのだ。毎年春になるとマスクが必需品にになる。

「わー、今年も酷そうね。花粉症。」
「いつでも花粉を分けてあげるよ?」

分けられるものならば。分けたいな。
でも、無理に決まってる。

「あ、セレブ校の子じゃない?ごきげんようとか言ってるし。そういえば結衣ってあそこと関わりあるんだよね?」

彩の言葉なんて耳に入らない。
あの制服。嫌な過去が頭をめぐる。あの制服のせいで私は……。

白をベースに青い線が入っているネクタイ。
真っ白な制服。全てが白い。その制服を着ている人の心は黒いのに……。

「結衣?どうしたの??酔った?」

彩が心配してくれる。

そうだ。今はあそこの生徒じゃない。私には関係ない。

「ううん。なんでもないよ。そうだね。うらやましいよね。お金持ちなんて」

私も通ってたけどさ。

正直羨ましくない。逆に一般でよかったとおもってる。

「あ、楓。相変わらずデカ!」

彩、身長が縮むわけないよ。

心で突っ込みを入れた私だった。

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