《MUMEI》
先輩の頼み
オレ、水沢太一(みずさわたいち)。中2で、吹奏楽部、トランペットパート。

今は、先輩たちが引退した後で、オレがなぜかパートリーダーになってしまった。

パートは、オレ以外女子…。上手くまとめれんのか…?

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今は、パート練習中で来月の頭にある文化祭に向けて練習している。

するとそこに、

「やっほ〜!がんばってる??」

「「みなみ先輩!!」」

こちらは、オレの前のパートリーダーで才色兼備、トランペットもメチャ上手い、青山海波(あおやまみなみ)先輩。

そんでオレの…好きな…人…。

「太一くん、パートリーダー慣れた?

「えっと、まだちょっといろいろ手間取ります。」

「だいじょーぶ!太一くんなら、私よりも、上手くまとめれるよ!文化祭、期待してるから、がんばってね!」

「はいっ!がんばります!」

「ところでさぁ…。ちょっと話があるから、あとで、校門のそばで待っててもらえる?」

「わかりました。」

どーしたんだろ…もしかして…?なんてなあー(笑)

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〜@校門の前〜

「先輩!」

「あっっ!太一くん!ごめんね。呼び出しちゃって。」

「いえ、ぜんぜんだいじょーぶっすよ!」

「あのさぁ…。私、好きなんだよね…。」

「そーなんすか…。ってえぇ!?」

「好きなんだ…。葉一(よういち)先輩のこと…。でも、彼女がいるって聞いて…。」

葉一ってのは、オレの兄貴のことだ…。

兄貴は高校1年で、吹奏楽部に入っていて、トロンボーンを吹いている。

「あ…。えっと、前はいるって聞いてたんですけど、最近は、何も聞かされてないっす…。」

「そっか…。ありがとっ。忙しいのにゴメンね?」

「いえ、大丈夫っす。」

「また、聞けたらでいいから、先輩に聞いといてもらってもいい?」

「はい…。わかりました。」

「じゃあね。文化祭がんばってね?」

「はい。さようなら。」

はあぁぁ…。まさか兄貴のことが好きだったなんてなぁ…。

超ショックだし…。

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