《MUMEI》 「咲、さくら。口に入れたりしなけりゃ遊んでもいいぞ」 一人遠巻きにその様子を見ていたくさの頭をひっ掴み二人の前へと置いてやる 「あ、主殿!何を……!?」 「他の奴も頑張ってんだ。お前も頑張れよ、居候」 「そ、そんな御無体な!」 「ま、頑張れ。地球外生命体」 「その言い方はあんまりかと!主殿〜!!」 叫ぶ声を上げるばかりのくさを一瞥してやりながら 「大体お前、何の為に家族なんて呼んだんだ?」 九重は不意に気になった事を問うてやる くさは暫く考え様に黙り込むと、すぐにポンと手を打った 「地球観光だ」 「は?」 怪訝な顔をくさへとして向ければくさは何故かはにかんだ様に顔をふせ 「……お恥ずかしい話しなのだが」 ゆるり話す事を始めた 「わが家族はこれまで星の外へ出たことが無くてな」 「……それで?」 「小耳にはさんだ処、地球は大層過ごしやすい星だと聞いた事があったのでな。その偵察も兼ねてこれを先に地球へと向かわせたという訳だ」 「はぁ・……」 「あなた様には大変お世話になり、感謝の言葉もない。して、奥さん」 突然に離しにお割り込んできた父親が徐に鈴へと向いてなおる 何でしょう、と向かい合った鈴へ 「……何か、食べるモノを所望したい」 真顔で腹の虫を響かせた 最早怒り、そして突っ込む気にも慣れない九重 鈴へと頼み、食べるモノを取り敢えず用意して貰ったのだった…… 前へ |次へ |
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