《MUMEI》 後の席のアイツ〜授業中〜 「このxをこっちに代入して…。」 「先生ぇー!黒板見えんー!」 「ごめん、ごめん。ちょっとまっとれー(笑)」 はぁ…。xとかyとかイミわからん…。 頭痛くなってくるし…。 つんつん。 後ろからつつかれた。フイッと後ろを向くと、海波先輩の妹、青山海穂(あおやまみほでこいつも吹奏楽部でホルンパート)が、 『昨日、お姉ちゃんに呼び出されてたでしょ?何の用だったの?』 という手紙がまわってきた。 『兄貴に彼女がいるのかって聞かれただけ。』 『ホントにそれだけ?』 『それだけだって。そこまで気にする必要ないと思うけど?』 『ゴメン(笑)お姉ちゃんが人を呼び出すなんて珍しいからさ…。』 『そーなんだ。』 『うん。だって葉一先輩のこと中1のときから好きなのに、全然話せもしないんだよ?』 『そっか…。教えてくれてサンキュ。』 『どーいたしまして((笑))ところでさぁ、数学わかる?』 『全く…。頭いてーし。』 ・ ・ ・ ・ ・ コイツはよく手紙を渡してくる。おかげで授業中に退屈することはない...が。 「こーらー!そこぉ!また、ラブラブしてんのか?いいかげんにしてくれよなぁ?暑苦しくてたまらんわ。」 こーやって見つかって、からかわれるのがめんどくさい。 そんで、まわりも笑うから、先生もちょーしにのって、見つけるたんびに言う。 「先生、オレらそんなんじゃないって言ってるじゃないですか!」 オレは、必死で弁解する。 「そーですよ、先生。うちら、そんなんじゃないです!」 海穂も、言った。 はぁ…。つっっっかれた…。 先生も、ほっといてくれりゃいいのに…。 前へ |次へ |
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