《MUMEI》
兄貴の好きな人
〜太一side〜


あ゛ぁ゛ーーー!疲れたぁ゛!

ほんとーに練習しねーんだもんな、あいつら。

しらねーぞ、まったく…。

っつーか、今思ったけど、なんで海穂のやつ、手紙まわしてくんだ…?

まーいーか…。考えるのめんどくせーし…。

……。あ…そーだ…。兄貴に聞いとかなきゃな…。彼女がいるか…。

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コンコンッ

「ほーーい…。」

「開けていーか?」

「いーぞ…。」

ガチャッ…

「おー…太一か…。どーした?」

「いや…。ちょっと…。」

「もしかして、勉強のことか?おまえ、バカだからなぁ〜…。」

「ちげーし…。」

「んじゃ、なんだよ?」

「海波先輩が、『彼女いるんですかー?』だってよ…。」

「いないけど…。」

「ふーん…。」

「あっ、そーだ。太一、おまえ海穂ちゃんと、同じクラスだったよな?」

「そーだけど、なに?」

「あのさ…。太一には言っとくけど、おれ、海穂ちゃんのこと好きなんだよね…。」

「ふーん……。って、え?もっかい言ってくれん?」

「だーかーらー!好きなんだって、海穂ちゃんのこと。」

一瞬、イラッとした。なんでだ、、、?

「ホンキで言ってんのか、それ?」

「な、、、なんだよ、、、?だめかよ?」

「べつに?」

「あっそ。んじゃ、オレ宿題やるから。さいなら〜。」

「はいはい。せーぜー頑張ってください、葉一お兄さん?」

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さっきの、イライラは、なんだったんだ?

ま、いっか…。

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