《MUMEI》

「ヒャッホ〜ッ!!!!!」



「きれ〜っ…」



「佑香ちゃん…
あの花火よりも綺麗な物…知ってる?」



「佑香ちゃ〜んッ!!
こっち来て手持ち花火やろ〜よッ!!」



「は〜い今行きま〜すッ!!」



「………」



「ドンマイ沖…」



「………うるせ。」



「キャハハハハハッ!!」



「お前らあんまり騒ぐなよッ!!」















………………………………



    赤城北高校



クロたちは会話の通り前夜祭を行っていた。


明日の決勝…


というよりは、
今日の勝利を噛み締めての祝勝会に近い物だった。


初めは乗り気ではなかった赤高の選手たちも、


このまま帰るには惜しいような、


そんな気持ちを抱いていた。


だが、


明日を忘れたわけではない。


笑顔の裏側には、


明日への不安が隠されていた。



………………………………














「あ〜、綺麗だったねぇ。」



「もう終わり?」



「いや、手持ちはまだ全然余ってる。」



「打ち上げは?」



「ラスト3。」



「よし。全部やるぞ。」



「千秋。点火だ。」



「了解ッ!!」

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